化学は、「例外が9割」と言われる学問でもあります。
私が大学に入学したとき、有機化学の分厚い教科書を手にしました。
そこには、たくさんの反応式が書いてあり、世の中で合成できないものはない(何でも作れる)んだなーという印象を受けました。
でも、実際に学習を進め、自分で実験をしていくうちに、
書いてある通りにやってもできないじゃん!
という事実にぶち当たったんですよね。
それは、「私の技術が足りない」ということもありますし、「個々の物質に合わせてちょっとした修正をしないと反応がうまく起こらない」ということでもありますし。
特に、何かと何かを反応させて新しい何かを作るという場合、やってみなわからんという側面もあります。
特許明細書では、書いてある発明をちゃんと実施できるように書く必要がありますが、こういう側面があるため、どうしても数多くの実施例(実験例)を記載しておく必要があります。
そのため、化学分野では、非常にページ数の多い明細書になってしまうことがあります(バイオ分野でも同じようなことが言えます)。