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  1. 化学・バイオの特許「あるある」ブログ
 

化学・バイオの特許「あるある」ブログ

2020/06/16
2009年に法人化してから、初めての激動の1年になっています。

個人事業主時代に、リーマンショックなども経験はしていますが、今回は、

人の流れが止まる

という初めての経験。

弊社のお客様も、在宅勤務をされていた方が多く。
やはり、人の流れが止まると、色々な流れも止まってしまうのだと実感しました。

私自身は、元から半分在宅勤務のようなものなのですが、それでも3月〜5月は少し勝手が違いました。

6月になり、少しずつ元の状態に戻ってきてはいますが、今後、コロナショック以前の状態に完全に戻ることはないかなと思っています。

新しい生活様式などと言われるように、新しい仕事のやり方に対応していかなければならない部分も出てくるでしょう。

大学の講義も前期いっぱいはオンラインが続きます。

早く新入生に会いたいという気持ちもありますが、もう少し我慢。

2020/06/03
延期になっていた弁理士試験の日程が、やっと決まりました。

短答式筆記試験: 令和2年9月20日(日曜日)

論文式筆記試験(必須科目): 追って公表(令和2年11月上中旬を予定)

論文式筆記試験(選択科目): 追って公表(令和2年11月下旬〜12月上旬を予定)

口述試験: 追って公表(令和3年2月中旬〜3月上旬を予定)


非常に長い時間をかけて行われる試験のため、来年度の試験との重複を防ぐと考えると、まぁギリギリの日程といったところでしょうか。

論文試験の採点も、今より短い期間で行うのは無理でしょうし。

私の口座も、4月から新しい学生も加わり、新講座になっていますが、昨日初めて「日程が決まったよー」と言うことができました。

日程が決まらないまま試験勉強をするというのは、本当に大変だと思います。

特に、気持ちを保つのが大変な気が。

でもまぁ、全受験生が同じ環境ですから、あと3ヶ月くらい学習する時間ができた!と前向きに考えて頑張ってもらいたいものです。

2020/06/01
コロナ関連で、4月5月は、隔日で事務所勤務と在宅勤務を行っておりましたが、6月1日より通常営業に戻りました。

とはいえ、まだまだ警戒を緩めてはいけないような気もします。

しばらくは、できる限り外出を控える方向で行動しようと思っています。

2020/04/14
5月に予定されていた弁理士試験の日程が延期になりました。


現時点では、9月以降の実施を予定しております。

とのことですが、しばらくは落ち着かない日々が続きそうですね。

受験生は気力を保つのが大変だと思いますが、今は健康第一でお過ごし下さい。

2020/04/06
現在、2つの大学で講義を担当しています。

しかしながら、4月からの自粛要請に伴い、5月まではほぼ休校に。

5月に今の状況が完全に収束しているとは考えにくいため、オンライン講義に変更になる可能性が非常に高いです。

色々やらなければならないことは多いですが、オンライン講義の経験は今後に活きるでしょうから、良い方向に考えるしかないですね。

落ち着かない日々が続きますが、できる限り心穏やかに過ごせますよう。

2020/04/03
先日、弁理士試験対策講座の最終講義が終了しました。

大学のカリキュラムに沿っているので、4月から3月までの1年間の講義になっているのですよね。

とはいえ、試験は5月(予定)。また4月からすぐに新しい講義が始まります。

休み時間に学生さん達と話していたこと。

「(論文試験に)どんなペンを使ったらいいかな」

弁理士試験の論文試験は、黒か青のボールペン(要は消しゴムで消せないもの)で記載する必要があります。

はやりの「消せるボールペン」は使用禁止。

まぁ、真夏に試験が行われますから、暑さで答案が消えてしまったら困るので、禁止されていなくても使わない方がいいですね。

別にどんなペンを使ってもいいのですが、

  • 試験時間が足りない
  • できるだけ速く書きたい
  • (学習でたくさんの論文を書くので)できるだけ手が疲れないペンを使いたい
という要望がありまして、毎年よく話題になります。

論文試験直前期は、冗談のようですが字を書きすぎて腱鞘炎になった(なりかけた)、という話もよく聞きます。

サから始まるペンと、ジから始まるペンが、割と人気。

まぁ、キノコ&タケノコ論争のようなものです。

ニコニコしながらペン談義に参加していたのですが、個人的には、

「自分が気持ちよく書けるペンであれば何でも良い」

と思っています。合格した人が使っていたペンを使う、なんてのも気持ちが良くなるのであれば有りだと思いますし。

コロナ関連で落ち着かない日々が続きますが、試験時期を延期するという話は出ていないので、通常どおりの準備をしていく必要がありますね。


2020/03/09

 

<参考特許>ヘルシア特許

  特許番号 3329799号

  特許権者 花王株式会社

  発明の名称 「容器詰飲料」
前回書いたとおり、この特許は、「カテキン類を高濃度に含有する容器詰飲料」に関するものです。

従来技術の記載から

カテキン類がさまざまな有益な効果を有することは、かなり前から知られています。

従来技術の記載には、引用文献の1つとして「特開昭60−156614号」が挙げられています。

この文献では、「コレステロールの上昇を抑える」効果を有すると書かれています。

これが出願されたのが昭和59年ですから、ずいぶん前から茶カテキンに優れた効果があることは知られていたんですね。

カテキン類とは?

カテキン類は、ポリフェノールの一種とされています。

ちなみに、「ポリフェノール」の「ポリ(poly)」とは、「たくさんの」という意味です。

つまり、「ポリフェノール」は、「たくさんのフェノール」=「フェノール(ベンゼン環にOHが付いたもの)がたくさん」=「ベンゼン環にOHがたくさん付いた化合物」という意味になります。

カテキンの詳細については、以下のページが参考になると思います。

カテキンのいろは 日本カテキン学会
エピカテキン、エピカテキンガレートなどのカテキン類の名称と構造式が記載されているので、興味のある方はどうぞ。

効果・作用のページ 同じく日本カテキン学会

2020/03/08
緑茶つながりで、もう一つ別の特許を。
特許番号 3329799号
特許権者 花王株式会社
発明の名称 「容器詰飲料」

「ヘ」から始まる例の飲料でございます。

昔スポーツジムに通っていたときに、筋肉隆々の男性同士で

「身体作りに何が一番効いた?」←たぶん筋トレの種類を想定して聞いてる

「うん。ヘルシアが良かったね」

という会話をしていて、私も一緒に爆笑してしまったのですが、結構効果があるんでしょうかね。


発明のポイント

  • 製法ではなく、「飲料」の特許である
  • 特許請求の範囲に、パラメータが記載されている(「パラメータ特許」などと言われることもある)
  • ヘルシアの基本特許


商品紹介ページ

「体脂肪が気になる方に」「内臓脂肪を減らす」などの効果がうたわれています。

緑茶だけではなく、コーヒー、紅茶などの商品もあるようです。

高濃度「茶カテキン」が含まれることが特徴です。


技術分野

発明の詳細な説明には、以下のように書かれています。
本発明はカテキン類を高濃度に含有する容器詰飲料に関する。


2020/03/07

英語明細書と日本語明細書の比較

<日本語明細書>

特許番号4015631号

発明の名称「容器詰緑茶飲料の製造方法」

特許権者 株式会社伊藤園
<英語明細書:ファミリーパテント>
US7682643
Method for manufacturing containered green tea beverage

 

日本語明細書の特許請求の範囲は、以下のとおりでした。

工程①〜⑤からなり、工程②について、②’に詳細が記載されている構造となっています。

【請求項1】

① 緑茶葉を70〜100℃の加温水にて抽出する抽出工程、

② 得られた茶抽出液にシリカを添加して茶抽出液中のオリ成分を当該シリカに吸着させる吸着工程、

③ 酸処理された珪藻土を用いて珪藻土濾過を行う珪藻土濾過工程、

④ 殺菌工程及び

⑤ 容器充填工程

を含む容器詰緑茶飲料の製造方法であって、

②’ 吸着工程では、シリカを添加する茶抽出液を20〜40℃に冷却することを特徴とする容器詰緑茶飲料の製造方法。

 

これに対し、US7682643のクレーム1は、次のとおりです。
こちらも5工程からなる製造方法のクレームです。

上の①〜⑤に対応する番号を付けてみると・・・ 

1. A method for manufacturing containered green tea beverage

having catechin content, wherein said method comprises:

① an extraction step wherein green tea leaves are extracted in hot water at 70-100° C., said extraction step resulting in a green tea extract;

② an adsorption step wherein after adding silica to the tea extract, said tea extract is brought into contact with silica while being cooled so as to reach 20-40° C. to absorb formulation components of a secondary sediment present in the green tea extract to said silica;

○ a silica elimination step wherein the silica is eliminated from the green tea extract;

④ a sterilization step; and

⑤ a container filling step.
工程③にあたる「珪藻土濾過工程」が、単純に、②で使用したシリカを茶抽出液から除去する工程となっています。

「オリ」に関する表現 

「オリ」=sediment

「二次的なオリ」=secondary sediment

飲料製造後の保存中に経時的に発生する「二次的なオリ」
“secondary sediment,” which occurs gradually with time after manufacturing the beverage, during storage.

2020/03/06
昨日に引き続き、「おーいお茶 ナチュラルクリア製法2010」の特許請求の範囲から。

前回は、以下の疑問で終わっていました。
では、オリ発生防止ということであれば、吸着可能なものは全て吸着させ、濾過可能なものは全て濾過してしまえばよいのでは?という疑問もわきます。
この疑問に対し、この特許明細書の本文に答が示されています。

【0006】
 しかし、オリの原因物質を除去することにより二次的なオリの防止を図る方法は、緑茶飲料中に含まれる混濁・沈殿の原因物質を最終的に全て排除するものであったため、
茶の香味に影響しオリの形成に寄与しない成分も多量に除去することになり、茶が本来備えている香味が弱くなるという課題を抱えていた。

これを読んでいて、ふと思い出したのは、こちらの商品。別の会社のものですが。

つまり、お茶というのは、濁りすぎても商品価値が失われ、濁りを取り過ぎても商品価値が失われ・・・という絶妙なバランスが必要なもののようです。

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